1.15.2009

R.I.P.

Jay Dillaが亡くなる前にリリースした病床で制作されたというDonutsを最近手に入れて聴いてます。
本気で素晴らしいです。

彼のオリジナルのインスト(といってもサンプルでヴォーカルは入る)のトラック31曲が、J Dillaのラジオ局、みたいな設定で繋がれていきます。

ソウルフルなサンプリングでグッときます。
熱いものが込み上げてきます。

今までそれほど聴いたことなかったのですが、やはりそんじょそこらのプロデューサーとは違う。
全ての音楽ライブラリ食い尽くして血肉に取り込むヒップホップという音楽の特性を最も良い形で体現していると思う。

厚くコンプをかけて上モノとキック、全体の音に(強引に)一体感を出していて、その点では最近のエレクトロ界隈の音作りと近いんじゃないかと思う。
なんとなくちょっとオワゾと似てる。

大好きなアーティストの仲間入り。
掘りまくるよ、R.I.P. ジェイディー。

追記:
どうして1曲目がOutroで31曲目がIntroなのか、考えた。
最後の曲が終わる直前に一曲目を再生し始めると同じサンプルの同じビートが鳴っている。

最後の果てに振り出しに戻る、長い人生を歩んだ最後にこの世を去り、そして再びゼロから始まる、輪廻転生のような死後世界をこのCDの中で彼は生前に創造していたのではなかろうか。
過去から未来への一方通行の時間軸ではなく、このCDの中で流れる時間は2006.2/10から31年前の彼の誕生日まで遡って行く。
彼と一緒に彼の過去を振り返って行く。

曲数が31で享年31歳であり、病床で作っていた作品であることも勘案すると、これは彼の走馬灯、甘い思い出と優しい心のたくさん詰まった永遠に輝き続ける魂のキセキ。
本当にありがとう、ジェイディー。


1. Donuts (Outro)
2. Workinonit
3. Waves
4. Light My Fire
5. The New
6. Stop
7. People
8. The Diff'rence
9. Mash
10. Time: The Donut of the Heart
11. Glazed
12. Airworks
13. Lightworks
14. Stepson of the Clapper
15. The Twister (Huh, What)
16. One Eleven
17. Two Can Win
18. Don't Cry
19. Anti-American Graffiti
20. Geek Down

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