11.30.2009

「No Man’s Land」展

日曜日、広尾にあるフランス大使館で開催されているNo Man's Land展に行ってきました。

古くなって取り壊しが決定している旧館の建物全体がアートスペースになっていました。
作家の作品を持ち込んで展示してあるというよりは、全体的に建物に寄り添った制作がなされている感じ。
一アーティスト一部屋で、その中はその作家ワールド。
壁も床も天井も隅から隅までやりたい放題。塗り放題、描き放題。
建物の外壁にボムされた大きなグラフィティに出迎えられて入った館内には、ストリートアートが比較的多いような印象が残っていますが、他にも大使館ならではの内装を活かした展示が盛りだくさん。
大使館なんて足を踏み入れる機会のない建物なので、ドアやコンセント、壁にそなえつけられた戸棚など全てが興味をそそりました。
事務作業がされていたであろう簡素な部屋、窓に金属パイプがはめこまれた牢屋のような部屋、革張りのドアでふわふわ絨毯の部屋、元々の大使館としての様々な機能を想像しながら、そこに投げ込まれたアート作品を見て歩くのはとてもわくわくする体験でした。
思っていたよりもずっと見応えあるエキシビションでした。

まだ会期は来年まで続くようなので、もし機会があれば今度は昼間に行ってみたいかも。
是非皆様も。オススメです。

「No Man’s Land」展
会場: フランス大使館
スケジュール: 2009年11月26日 ~ 2010年01月31日
木・日 10:00-18:00、金・土 10:00-22:00、休館: 月〜水、2009年12月28日〜2010年1月6日
住所: 〒106-3514 東京都港区南麻布4-11-44
電話: 03-5420-8800
(←『この電話番号は現在使われておりません』でした笑)


以下ぱしぱし撮ってきた写真をいくらか。










P.S. postしてからタイトルを見てふと思った。この【元】大使館は、もはやその元々の機能や性質を剥奪されて、いやそこから解放されて、アーティストの自由なキャンバスに変化している、誰からも解放されて誰にも解放されている、すなわちそこは誰にも属さないNO MAN'S LANDなのか、と。
海外のblogでしか目にかかる機会がないような(少なくとも僕は)グラフィティが自由にボムされている、東京においては希有な、まさに誰のものでもない土地を漂う経験ができる、という解釈もできるかもしれません。
まあ、解釈は自由ですよね!!百人が見たら百通りの解釈があるはず。
これは、僕の感想です。

10.15.2009

Black Machine Music Segment2


Hud Moについてのpostで若干ダンス・ミュージックの歴史に関する記述をしたので、『ブラック・マシン・ミュージック』野田努著を以前読んでいた時にTwitter上に載せてた要約を転載しておきます。
70sニューヨークのディスコシーン、ヒップホップ草創期についてのSegment1に続く、80年代にかけてのシカゴのシーンがどのように立ちあがってきたのかについてのSegment2。


(途中、固有名詞だけしか書いてないところもありますが、それで検索かければ色々わかると思うので。ディグのきっかけのための最低限の資料として。)

(本当はこの次に書かれているデトロイトシーンの草創期のストーリーがまさに今のシーンと[僕がやりたいことと]シンクロして非常に感動したんだけど、要約書いてなかった。。のでまた機会があれば。)


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80年代に突入すると、エレクトロニクス利用が増えてPatrick Cowleyやバンバータ登場、しかしエイズ問題やレーガン政権による保守反動で快楽主義に疑問が呈され、MTVによるチャート音楽の隆盛でインディペンデントダンスレーベルは打撃を受けた。

ストーリーはシカゴハウス誕生に向かう。ナックルズ、ロン・ハーディの二大DJのプレイでシカゴのクラブ市場は二分される。「音楽的に言うならハウスは当時のDJによってミックスされたファンクやディスコ、ヨーロッパのダンスミュージックなどアンダーグラウンドミュージックのテクノロジーによる混合物である。」

ハーディはニューウェイブしか知らない若い世代にブラック・ソウルを教えた。極端なイコライジングとピッチを上げて。ドレスダウン現象。DJジェシー・サンダースのOn&Onが初のハウスレコード。初めはサンプリングだか盗作だかの海賊版だったが話題になったため自らレコーディング。

トラックスレーベル。マーシャル・ジェファーソンもヒットを。素人×機材=「ハウスはディスコにおけるパンク」。盗用=JACK天国。ラリー・ハードCan you feel it。政府社会保障管理部勤めのドラマー。

素人的無邪気さ→突然変異アシッドハウス誕生。×感情への音楽○麻酔薬の音響、機械反復。スリージーDのIve lost control。「徹底的に狂うことで人生を振り切ろうとするかのよう」
「ダンサーはそれぞれのスペースで踊り、スペースはお互いを共有することはない。まるで物理学者が電子の粒子に遭遇しようとしているかのようじゃないか」

「おれがIve lost controlをやったとき、叫び声を入れたけど、ブラックサバスやツェッペリンみたいなムードを出したかっただけなんだ。
「パワフルな精神変容であり、ブラックサイエンスフィクション」
「物語性の欠如、民族的な帰属に限定されないブラック・ミュージックの誕生

レイブ時代へ。ディスコとパンクスの合流。メジャーレーベルへの吸収でシカゴシーンに影。ナックルズとハーディの両クラブ閉店。ヘロイン中毒者ハーディ1992年他界。

10.03.2009

Twitter考(2)

Twitterとは何なのか。前回に引き続き若干の考察を進めてみる。


自動水洗便所
インターネット上の書き込みは「便所の落書き」だと皮肉られることがある。
どこかの誰かの残した【排泄物】のような拝む価値のない無用物だというわけである。



ところで、便所の汚物は水で洗い流されるべきである。それがマナーである。

この【自動水洗機能】を備えた新しい【排泄】ウェブサービスとしてTwitterを考えてみる。
また、人々の時間意識とも絡めて議論してみたい。


直線的時空間意識
画面上には自分及びフォローしているユーザーの最新のつぶやきが常に上位に表示される。
それよりも古い書き込みは新しい書き込みによって流されていく。
「今」の連続的生成がもたらす膨大な時の堆積が過去を押し流していく。

これは2ちゃんねるやmixiなどの旧来のコミュニケーション(掲示板)サービスとは一線を画すると考える。
なぜならば、それらのサービスでは「過去→今」という堆積された時間を、遡及的に通覧するという、「歴史的」で「超越的」とでも呼びうる視点をユーザーに容易に可能にするからだ。
そして、過去のある一点(発言)は始まりと終わりによって静的に画定された【年表】の決められた一点として固定される。

人は上から下に文章を読む。これは歴史的・文化的な拘束である。
そして、時は過去から現在、そして未来へ向けて流れるという時間意識を持っている。これも同様と言えるだろう。
マクルーハンの言う、活字のもたらした直線的な思考、が関係するかもしれない。

つまり、上から下に向けて、過去から今が進行するというタイムラインは非常に理解しやすい。
そして、その【年表】からはストーリーが読み取れる。

United States Of Chinaなる新しい国が登場する【未来の歴史】


「今」を賭ける/駆ける
そのような旧来の一般的な掲示板サービスに対して、Twitterのタイムラインは上に現在が、下に過去がある。(以前からもチャットがこのようなタイムラインで存在したかもしれない。)
Twitterでは「今」のほとばしりが過去の上にあり、より大きな価値を持ち、そして、それは積み上げられてきた過去の流れに接続される必要はなく、無限の未来に開かれていながらも「今」という壁を破ることのできないという限界に囚われた人間が、【不可能な未来への跳躍】によって未来を形作る、というような動的な時間意識に適合的なのではないか。
そのような「今」に局限され、拘束された時空間の視野に基づきながらも動的な時空間の生成をするということを、私たちはしているのではないか。(過去も未来も実体的に把握することは不可能だ。それでも過去を学び、未来を築く努力をする。)


そして、Twitterの【自動水洗便所】式のタイムライン表示がそのような動的な時間意識・体験を少しでも容易にするのではないかと思われる。
このような時間意識が過去の呪縛を解き放ち、【不可能な未来への跳躍】に挑む人間を準備する貢献をするとすれば、Twitterが社会にもたらす便益は単なるコミュニケーションを超えている。



Hudson Mohawke - Hudson's Heeters Vol. 1
Warpと契約した若手注目株の'06に発表されていた14曲のビート集。
最初期のようですが既にかなりの完成度で【未来】を響かせています。

9.29.2009

LLLIGHT

Hirzberger Events - Digital Wallpaper from Gregor Hofbauer on Vimeo.

9.11.2009

Twitter考


ちょっと思いつきでtweetし始めたら止まらずにどどどっと思考が進んである程度のまとまりになったので、転載してみます。

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Twitter登録だけして放置してた人間が「最近使い出したら意外と面白い」なんて言ってるケースが多いように思う。潜在的に増大してたネットワーク効果が爆発したか。
「ひうぃっひひー」事件が起爆剤?iphoneみたいなアプリ積める携帯の普及が臨界点越えたか?やっぱりこの面白さはリアルタイムでネットワーク上のノードとして個人が機能しうる環境があってこそだと思うから。

ユーザー数のネットワーク効果はもちろんなんだが、なにかこの新しい情報流通&コミュニケーションツールに人が流れこむ土壌が政治経済環境要因に求められたりはしないかな。



オルタナメディアとしての再発見
例えばイラン大統領選挙でのアンダーグラウンド情報流通に果たした役割と、その報道に占めた大きな比重。YouTubeと並んでTwitterが連日の報道に登場。
それに加えて国内の選挙では政策に関する情報を自ら比較検討するよう求められ、同時に世論調査含め世間の空気に対して敏感にならざるをえない状況。
クソナギ事件やら選挙やらでマスの一方通行情報大量爆撃に嫌気が差したかもしれない(臨界点突破)。
そこにイランで大活躍ニュース→オルタナメディアとして再発見!てストーリー、なかなか整合的じゃないかな?思い付きだが。

(マスメディアが越えられない国家の情報統制をTwitterが潜り抜けたという事実が人々の公正な感覚にポジティブな影響・印象を与えたのは間違いないと思う。)



「ひうぃっひひー」が国内起爆剤?
@カズキニ 広瀬香味がTwitterの陰語はひうぃっひひーね、とtweetしたらネット中でワロスされた事件w で、その広瀬香味のTwitter上の親友がブレイク中の勝間氏で鬼twitterユーザーという点も一般ユーザーの敷居を下げた気がする。

経済の方向性と世界観が合致?
階層なき平等な水平ネットワーク世界というノーバート・ウィーナー以降のITコミューンの原理主義的形態(cf.P2P)としてTwitterを考えると、金融危機以降の揺り戻しで世界の全体的な方向性がケインズ的な(?)再配分のコミューンに向かおうとしていることと対応しているような気もする。


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経済に関しては数学的な処理が面倒で勉強していないのでさっぱりですが、財政とか会計とか租税とかから間接的には触れてる感じです。

とりあえず今は
リベラル・ケインジアン>新自由主義
でおーけーですよね??



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エレクトロヒッピーの亡霊
今イギリスのシンクタンク勤めの男が書いた『サイバービア』(CyberのSuburbiaね)なる本を読んでるのですが、改めてカルフォルニア近郊のヒッピーたちから巨大化してきたコンピュータ文化の根底に世界の形態の変革というエネルギーというか思想のようなものが強く根付いていたことにうならされてます。
官僚的で階層的なトップダウンの世界から水平的で平等なコミュニケーションの保証された理想郷へ。

良いのか悪いのかわからないけど、コミュニケーションと情報流通に関しては今の人間は限りなく自由な環境を謳歌しているし、進もうとしている未来像もサイバネティックスの先駆者の思い描いたものとそう遠くないんじゃないか、と思ったり。

(なんてサイバネティクス思想に洗脳された頭で書いてみマスタ。)

9.08.2009

Life Meditation 2


ジョブスのスピーチ、友達に頼まれてせっかく和訳したので載せておきます。(ビデオ見れば字幕出てたけどね。)

点と点は未来を眺めても繋げられなくて、振り返った時にだけ繋げられるんだ。
だから将来的には点と点が繋がってどこかに導いてくれると信じるんだ。
何かを信じなければならない。人生、ガッツ、運命でも、業(カルマ)でも、何でもいい。
なぜなら点と点が一つの道に通じてると信じることは、たとえよく踏みならされた道から
外れてしまうような時でも、あなたが自分の心に従う自信を与えてくれるから。
そしてそれがすべての違いをもたらす。

時に人生はあなたの頭をレンガで叩きつけるだろう。
信念を失ってはいけない。
私を動かし続けてきたものは、私が自分のなすことを愛してきたというただそれだけだと
確信している。
あなたは自分が愛するものを見つけねばならない。
そしてそれは仕事にもあてはまれば、恋人についてもだ。
あなたの仕事は人生の大部分を占めるだろう。
そして本当に満ち足りる唯一の方法は、あなたがすばらしい仕事だと信じることをすることだ。
そして素晴らしい仕事をする唯一の方法は、あなたが行うことを愛することだ。
まだ愛するものを見つけていないのなら、探し続けなさい、そして落ち着いちゃダメだ。
あらゆる心の問題と同じで、それを見つけたときには自ずとわかるだろう。
そしてあらゆる素晴らしい人間関係と同じで、年を経るごとにそれはますます良くなっていくだろう。
だから探し続けて。落ち着いちゃいけない。

9.07.2009

Life Meditation




Apple社の創業者でありCEOのスティーブ・ジョブスが2005年のスタンフォー ド大学の卒業式で行ったスピーチです。



本当に感動しました。

じっくりと噛み締めたいので、それぞれの話の最後にくるメッセージの部分を書き起こしてみました。(細部に誤りあるかも。)

you can't connect the dots lookin forward, you can only connect them looking backwards. So you have to believe that the dots will somehow connect you in future. you have to trust in something. your life, guts, destiny, carma or whatever. Because believing that the dots will connect down the road, it will give you the confidence to follow your heart even when it leads you off the well worn path. And that will make all the difference.


Sometimes life's gonna hit you in the head with a brick. Don't lose faith. I'm convinced that the only thing that kept me going was that I loved what I did. You've got to find what you love. And that is too true for work, as it is for your lovers. Your work is gonna fill a large part of your life. And the only way to be truely satisfied is to do what you believe is a great work. And the only way to do a great work is to love what you do. If you haven't found it yet, keep looking, and don't settle. As with all matters of the hearts, you'll know when you find it. And like any great relationship, it just gets better and better as the years roll on. So keep looking. Don't settle.


この人自身がずっと悩み続けて自分の道を決めてきたのかなと思う。
そして今もまだ落ち着いちゃいない、と。まだまだ新しい何かをやらかそうとしてる…。
まあここではそういう話をしてるわけじゃないんだけども。

今の自分にはすごく染みる言葉でした。

9.06.2009

all about the girls











俄然7と9。

8.26.2009

MYSTIC CAMERAAA

巨大なホログラムの迷宮に放り込まれたようだ、空間の、時間の、実感が薄れていく、同じ顔、同じ笑い声、同じ場所、歩いても歩いても、どこにも行かぬ、どこにでも行く、裂け目に吸い込まれていくように、永遠に掴めぬ裂け目に追われるように。


???BLACK OR WHITE???


"I ALWAYS FEEL LIKE SOMEBODY'S WATCHING ME"

EYE'm LOVIN YOU.

7.23.2009

多重意識



マルチチュード生産物。

去年の冬に作った曲のMash UpをLaserboyさんが作ってくれました。
ラップのアカペラを乗せてくれています。かなりクラシック度高めだと思われます。
ラップのおかげ?トラックのおかげ?さあ笑
こんなこと思いもよらなかったので新発見。感謝です。

NNS - D.I.S.C.O. (Laserboy "atami tahiti" mash up)

元々ヒップホップのトラック作ってラップ乗せてたから、歌とかラップ乗せた方が相性いいのかも、僕の音って。
Amanda Blankのリミックス作った時も若干感じたんだけど。
単純にボーカルの存在感がしっかりとあるからでしょうか笑

7.19.2009

ブギウギウギー



ときめくね。最高。幸せ。

7.07.2009

フランスのテレビ

と言っても、江頭2:50じゃありません…。
INAはテレビやラジオ番組の300万時間ものアーカイブがあるフランスの公共機関(!)。
パリにはInathequeという施設があって、研究目的で利用できるらしい…んだけど、ネットでも1万時間分だかを無料で公開してるんだって!

ってことで早速検索&登録。登録しないとblogに貼り付けできないので。
(postal codeの欄に日本の7桁のものを入力してもダメ。フランスのは5桁みたい。)

discoで調べると…。

NYのセレブリティ向けディスコStudio 54の映像!!


これもStudio 54、こちらは仮装してる変な人が映ってたり、肩を組んで飛び跳ねる男たちが映っていたりと、パーティーの雰囲気がより伝わってきます。


前半と終盤に見られるストロボが明滅するディスコの映像がカッコイイ。
Boney Mのスタジオでのレコーディングシーンは機材が見もの。

昔のファッションとかヘアスタイルとか、もう全部の古臭い感じがたまらない!!

6.30.2009

future in the past 2



他にもいくつかあるにはあるけど、これがベスト。
曲といい映像といいまさにホログラム。
Valerie周辺とかMoulinexあたりのやってるのってまさにこれですよね。

いまいちこのRon Haysっていう映像作家についての情報がグーグルでは得られないんだけど、以下のYouTubeの説明からなんとなくはわかります。
Ron Haysが主導したMusic Image Workshopが1972年から1974年までロックフェラー財団に出資してもらっていたって書いてあります。すごい。

this is from the laserdisc Ron Hays Music Image: Odyssey. here is some more information from Siggraph:
"Ron Hays

The New Television Workshop at WGBH supported the creation and broadcast of experimental works by artists. One of their projects was the Music Image Workshop, which was primarily a project of Ron Hays, who used the Paik-Abe videosynthesizer to create elaborate visual scores set to music. It was funded by the Rockefeller Foundation and the National Endowment for the Arts from 1972 through 1974. Hays worked closely with WGBH producer and director, David Atwood, to create both live broadcasts and finished works. Additionally, works by other artists were presented under the auspices of the Music Image Workshop.

Hays later produced a short film with Michael Tilson Thomas, called Space for Head and Hands. It was an improvisation by Hays with piano by Thomas. He also produced animation for the Julie Christie movie Demon Seed, and a video art compilation of music, computer graphics and art for Odyssey called Ron Hays Music Image. This animation was produced using the Scanimate system. "
music by Larry Fast


レーザーディスクでしか発売されていないそうです。
VJの人、見つけたら即買いっすね。高そうだけど。

future in the past 1



ジョン・ホイットニー
1917年、ジョン・ヘィルス・ホイットニー(John Hales Whitney)としてカルフォルニア州・パサデナ生まれる。37-38年、クレルモン大学ポモマ校(Pomona College, Claremont University)で学ぶ。パリ滞在中にレネ・リーボヴィッツ(Rene Liebowitz)からシェーンベルグ(Arnold Schönberg)の12音技法を学び、抽象画によるアニメーションを着想する。39年、合衆国に戻り、画家である弟のジェームス・ホイットニー(James Whitney)と共同で実験的なアニメーション作品を制作し始める。
1995年、ロサンジェルスにて没する。

60年代後半以降に流行ったオプ・アートと、最初期のコンピューター・グラフィックスの融合といったところでしょうか。
点や線といった最小の構成要素が画面を規則性を持って動き回ることで、その軌跡に空間が広がって見えてくる。
暗闇でネオン管が動き回っているようにも見えるけれど、微粒子が動き回る辺りは特に、シンプルだけど複雑なリズムを持つ生命現象の鼓動を感じるし、同じ形がぐるぐると円を描いて動き回る姿は残像か分身のようでもあり、阿修羅像や曼荼羅のような仏教的世界観も感じる。
Terry Rileyによる東洋風の音楽のせいかもしれない。

絶えず変わりゆく関係性の中でひとつひとつの同じものが違った顔を見せていく、それは諸行無常の世界観でもあるだろうし、60年代以降の構造主義への転回と同じ時代に共有された無意識の産物なんだろうなーと思ったりもする。

5.22.2009

性なる祈祷師


NIPPSがずっと好きなんだけど、最近個人的に興味が再燃。
TETRAD THE GANG OF FOURってグループで去年煙突からリリースしてたり、

SEXORCIST(aka NIPPS)のmyspaceを発見。
GRADIS NICEってプロデューサーの仕事らしいが、かなりいい音鳴ってる。
Black Tarは呪術的な朗詠から始まって、りゃんりゃんと鈴みたいな音とドラムにほんの少しだけベースが入るシンプルでめちゃくちゃ気持ち悪いトラックに、NIPPS一派のきもち悪いリリックがヤバい。
一拍目のキックが一番重たくしてあって、同時に小さくクラップ入れてある。
Roc-a-fellaなPoison"NICE"Remixもヤバい。
これはAwesome FoursomeってMixCDに収録らしい。

SEXORCIST on myspace

ゴシックなデザインもいかしてる。

ゆゆゆちゅちゅちゅぶぶぶ


YouTube動画を万華鏡のごとく再生してしまうYooouuuTuuubeでD.A.N.C.E.を見てみた。
Justice D.A.N.C.E. in YooouuuTuuube

こちらが最高に素敵。不思議の国のアリスからサンプリングした素材が90%でできている曲と、完全に同期してモンタージュされた映像。
Alice

5.01.2009

NEWS FLASH

オールドスクール・ディスコ・ミックス インザハーウス!!!!

久々にmix録りました。というかDJ自体も久しぶり。
溜まりに溜まったネタを使いたくてウズウズしていたので、家にいたし夜から作ってみた。

少しもエレクトロじゃないです。
最近のエレクトロ周辺のシーンでディスコっぽい音を作ってる人の作品を正当な文脈で使えてると思います。
70年代ディスコから70年代オールドスクールヒップホップ(ほぼディスコ)、80年代エレクトロヒップホップ、ディスコダブ、それに最近のエレクトロディスコ?ソウルフルで温かくて多幸感に包まれて思わず顔がにやけてしまうような音。
ちなみに一曲目は流行りつつある(?)デジタルクンビアのコンピから。

繋ぎが荒いところもあるけど、、、一曲2分くらいでテンポよく繋いでるし割と楽しめると思う。

今僕が好きな音、これからやりたい音、こんな感じです。自己紹介代りに。
(こういうmixやるのでオーガナイザーさんよかったら呼んでください。)

もっと掘ります目指せキングオブディギン。


NNS S/P/A/C/E MYSTERY REPORT 001

Chancha Via Circuito - Bosques Via Temperley (w/ Kumbha Kethu)
Hercules And Love Affair - True False/Fake Real
Golden Bug - Disco Sensation
Idjut Boys - Gentle Approach
Van McCoy - Disco Baby
The Jacksons - Radio Ca Ca (Idjut Boys Edit)
Mr. Oizo Feat. Carmen Castro - Two Takes It
Mark De Clive-Lowe - Slide
Malcolm McLaren - World's Famous
Hemingway - Forever - Pelifics (Hemingway RMX)
The Phantom's Revenge - Saturated Phat Impact
Lapin - Just Can't
Mr. Oizo - Jo
The Avalanches - A Different Feeling
Glossy - Burning Love
Malcolm McLaren - Buffalo Gals
Afrika Bambaataa & The Soulsonic Force - Frantic Situation
Lindstrom - Grand Ideas
Wiley - Step By Step Featuring Hot Chip
La Chansons - You Put the Moves in Me
Marvin Gaye - Got To Give It Up
The Hello Works - 今夜はブギーバック (Re-play)
韻シスト - Music

4.14.2009

keepin it right


僕の作ったリミックスが店頭に並んでるCDに収録されてます!

おなじみValerieのMinitel Roseが日本国内レーベルnurbsからリリースするアルバムの購入者特典でついてくるCDにContinue (NNS Remix)が入ってます。
Dancin All The Night With YouのリミックスをしてくれたHoshina Anniversaryさんのリミックスも入ってます。
興味のある方はぜひぜひ早めにゲットよろしくお願いします。

派手&スペーシーな1980年代の胡散臭さをアーティスティックに復古するフレンチ・エレクトロ集団、VALERIE。その一員である3人組、MINITEL ROSE(ミニテル・ローズ)が1stフル・アルバム『The French Machine』で日本デビュー! 国内盤(TTR-413CD 税込2,310円)が4月15日に発売となります。彼らの名を一躍知らしめたof MontReAL(オブ・モントリオール)「Gallery Piece」のリミックスを含むボーナス・トラックを追加収録!
 
 初のアルバムでありながら、すでにMotorolaやReebokといった大手とスポンサー契約を果たしているというMINITEL ROSE。NEW ORDER(ニュー・オーダー)「Blue Monday」や映画『フラッシュダンス』といったモロ80sをキーワードに制作された本作、THE ZONDERSの手掛ける病的なまでのグラフィックと相まって恐るべき80s感を醸し出しております。DAFT PUNK(ダフト・パンク)、JUSTICE(ジャスティス)等のフレンチ・ファンやof MontReALファンはもちろん、靄のかかったあの頃の気持ちを取り戻したい、というすべての方に。
 
 ANORAAK(アノラーク)、PAPER TIGREのリミックス・トラックや、OASIS(オアシス)やCSS等のリミックスを手掛けるHoshina Anniversary、NAPOLEON NEVER SLEEPSといった日本の精鋭によるリミックスを収録した店舗限定ボーナスCD-Rも用意されていますので、こちらも要チェック!

via CD Journal


4.10.2009

キメラ


この間書いてみたS/P/A/C/Eの概念図。
宇宙や神といった見えない“超越者”との交感をしようとする音楽、もしくはその交感からエネルギーを得て創作された音楽をジャンルを超えて繋ぐコア・アイディア、それがS/P/A/C/E。
呪術的で神秘的な力を持つ原初的な音楽の在り方、とも言えるS/P/A/C/E音楽。
わかりやすいところだとModularのアートワークとかMidnight Juggernautsの世界観。
(先住民アボリジニの自然崇拝、さらに霊的効果もあると言われる低音を発する世界最古の管楽器ディジリドゥが用いられる独自の音楽文化などが特徴の、オーストラリアという“離島”で西洋文化が独特の発展をしているような気もする。)
それにValerieあたりももちろん。このあたりは「白」い。
右側の「黒」ベクトルの側には、宇宙サイコジャズマスターSun Ra、「サン・ラや70年代のサイケデリックな音楽、ダブ/ルーツ・レゲエと、自身のルーツでもあるヒップホップを折衷した、宇宙を感じさせる」音楽を作る西海岸のRas G、それに?uestLove(The Roots), Jaydee, D'Angeloからなるプロデューサー集団Soul Quariansのスモーキーで心の平静の境地に達したかのようなビート、そしてもちろん、遺作アルバム“Donuts”を代表とする故Jay Dilla aka Jaydeeの天界と触れてしまった驚異のスピリチュアルヒップホップ。そして彼以降のイルセントリック・ヒップホップ。
70sDiscoや80sのアルバムアートワークにも宇宙イメージは見られるし、忘れちゃいけないのはPharrelとChadのThe Neptunes。彼らのビューティフルな曲はまさしく海王星、時を超えた美なるものの精霊のエネルギーを感じる。


SALEMもそうだけど、キメラ的なものに惹かれる。
キメラは、生物学において、同一個体内に異なった遺伝情報を持つ細胞が混じっていること。名称はギリシャ神話に登場する伝説の生物(キマイラ)から。近年は「キメラ分子」「キメラ型タンパク質」のように「由来が異なる複数の部分から構成されている」意味で使われることもある。

混淆的原理主義


SALEMってよくわからなくてちゃんと聞いてなかったんですが、正体が掴めた気がします。
アメリカのサウスのヒップホップで、BPM超落としてスカスカのキックの中にスネア・ハイハットを連打で入れていくってスタイルが流行ってもう長いこと経つと思いますが、あのリズム隊プラスインディー感というか、サイケデリックかつ永遠を感じさせるような美意識をぶつけてみた感じ。
回転数落として再生したようなボワボワした歌声もサウスのヒップホップ譲りでしょう。
よくわかりませんが、やっぱりキリスト教的な神秘主義の影響がアートワークなり音なりに表れてると思います。
とすると、超「白」な美意識をどす「黒」いリズムに乗せて提示してるわけです。
そう考えるとものすごいラディカルだし、今のアメリカを象徴しているようにも思われます。
こういうものがインディー市場(適切じゃないかもしれませんが)に迎え入れられるって面白いですね。

P.S. わわrっつ、ホントにグラフィックが黒と白の服だ…。

つづき
インタビューを発見したのでちょっと書き足します。
まだ全部読んでいないのですが冒頭に興味深い発言がありました。

“I listen to a lot of rap music and John listens to a lot of classical stuff, so I think it’s nice that there are three people and we’re not all coming form the same place. We’re bringing together a bunch of different shit we’re all interested in.”

「僕はラップミュージックをたくさん聴く、ジョンはクラシック音楽をたくさん聴く。だから三人の人がいてみんな別の場所からやってきてると言えばいいんじゃないかな。僕らは皆それぞれに興味のある違うブツを持ち寄って一緒くたにしてるんだ。」



Like you say rap and classical music would seem to be pretty different things, but can you see anything that links the two?
I think it’s the same feeling that we’re all trying to bring out, but we do it in different ways. Use different tools to express the same thing.
同じ感覚を表そうとしてるんだ、でもそれぞれ違うやり方で表現する。同じものを伝えるために違う道具を使う。


Can you put words to what that feeling is?
Nah… I think there’s a certain bleakness and uh… like disappointment and acceptance and sad… I dunno.
Like… accepting enough that we’re still alive so we’re gonna make music instead of just saying ‘Peace out’.
わびしさ、暗さ、、、がっかりしたような、受け入れる気持ちと、悲しみと、、、わからないな。
なんていうか、、、僕らはまだ生きているということを受け入れて、「じゃあな」という代わりに音楽を作るんだろう。


退屈な人生に風穴を開けるべく音楽を作っている、そんな印象を受けました。


SALEM - whenusleep

4.06.2009

ゲップでみんなに聖ハロー



心替わりの相手は僕に決めなよ
ロマンスのビッグヒッター グレイトシューター
踊り続けるなら…

最後にはきっと ぼくこそがラブマシーン
君にずっとささげるよファンタジー
ブギーバック シェイキアップ
神様がくれた甘い甘いミルクアンドハニー

パーティー続き燃え上がる二人
そうさベイビー今宵のリアリティー
ブギーバック シェイキアップ
夜の半ばには神様にありがとう

ワイルドな君 麗しのプッシーキャット
僕の手に噛みついてオールナイトロング
ブギーバック シェイキアップ
夜の終わりには二人きりのワンダーランド…



音楽にラブレター。








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これはsung by 宇多田ヒカル。昔の宇多田はJackson5のマイケルみたいな声出してたんだな…。このボーカルでトラック作ったら最高じゃない?作ろうかなー。

4.01.2009

ИEW


И迷路なんて新しいプロジェクト動かし始めてみました。

延々ループで曼荼羅模様。

И迷路 - 緑の五本指の夜のために

3.10.2009

Sky's The Limit


見たことのない、聴いたことのない、完全に新しい衝撃的な体験は精神の天井を突き破り、無限の可能性の秘められた広い空へと連れ出してくれる。

既成概念を打ち破るそのような体験をさせてくれる作品は、私たちにこれから初めて見る世界への希望を与えてくれる。
見たこともない、聴いたこともない、何か素敵な世界との出会いがきっと待っている、そんな期待を抱かせてくれる。
何にも感動することができなくなったら、人は深い深い海底の底に沈んでしまったように世界に無関心になり、未来など消え去ってしまうだろう。今も過去も何もなくなってしまう。死。
笑い、悲しみ、怒り、楽しさ、なんでもいい、心が感じたことのない、感じたことのある中で最高の、できれば記録を更新するようなものすごいのがいい、そんな心の激的な躍動が生きる希望を与えてくれる。
過去を輝かせ、今を無上の幸福感で包み込み、そして未来を作るのがその感動。
だから今日も明日もいつだって未知の何かを探すんだ。