10.15.2009

Black Machine Music Segment2


Hud Moについてのpostで若干ダンス・ミュージックの歴史に関する記述をしたので、『ブラック・マシン・ミュージック』野田努著を以前読んでいた時にTwitter上に載せてた要約を転載しておきます。
70sニューヨークのディスコシーン、ヒップホップ草創期についてのSegment1に続く、80年代にかけてのシカゴのシーンがどのように立ちあがってきたのかについてのSegment2。


(途中、固有名詞だけしか書いてないところもありますが、それで検索かければ色々わかると思うので。ディグのきっかけのための最低限の資料として。)

(本当はこの次に書かれているデトロイトシーンの草創期のストーリーがまさに今のシーンと[僕がやりたいことと]シンクロして非常に感動したんだけど、要約書いてなかった。。のでまた機会があれば。)


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80年代に突入すると、エレクトロニクス利用が増えてPatrick Cowleyやバンバータ登場、しかしエイズ問題やレーガン政権による保守反動で快楽主義に疑問が呈され、MTVによるチャート音楽の隆盛でインディペンデントダンスレーベルは打撃を受けた。

ストーリーはシカゴハウス誕生に向かう。ナックルズ、ロン・ハーディの二大DJのプレイでシカゴのクラブ市場は二分される。「音楽的に言うならハウスは当時のDJによってミックスされたファンクやディスコ、ヨーロッパのダンスミュージックなどアンダーグラウンドミュージックのテクノロジーによる混合物である。」

ハーディはニューウェイブしか知らない若い世代にブラック・ソウルを教えた。極端なイコライジングとピッチを上げて。ドレスダウン現象。DJジェシー・サンダースのOn&Onが初のハウスレコード。初めはサンプリングだか盗作だかの海賊版だったが話題になったため自らレコーディング。

トラックスレーベル。マーシャル・ジェファーソンもヒットを。素人×機材=「ハウスはディスコにおけるパンク」。盗用=JACK天国。ラリー・ハードCan you feel it。政府社会保障管理部勤めのドラマー。

素人的無邪気さ→突然変異アシッドハウス誕生。×感情への音楽○麻酔薬の音響、機械反復。スリージーDのIve lost control。「徹底的に狂うことで人生を振り切ろうとするかのよう」
「ダンサーはそれぞれのスペースで踊り、スペースはお互いを共有することはない。まるで物理学者が電子の粒子に遭遇しようとしているかのようじゃないか」

「おれがIve lost controlをやったとき、叫び声を入れたけど、ブラックサバスやツェッペリンみたいなムードを出したかっただけなんだ。
「パワフルな精神変容であり、ブラックサイエンスフィクション」
「物語性の欠如、民族的な帰属に限定されないブラック・ミュージックの誕生

レイブ時代へ。ディスコとパンクスの合流。メジャーレーベルへの吸収でシカゴシーンに影。ナックルズとハーディの両クラブ閉店。ヘロイン中毒者ハーディ1992年他界。

10.03.2009

Twitter考(2)

Twitterとは何なのか。前回に引き続き若干の考察を進めてみる。


自動水洗便所
インターネット上の書き込みは「便所の落書き」だと皮肉られることがある。
どこかの誰かの残した【排泄物】のような拝む価値のない無用物だというわけである。



ところで、便所の汚物は水で洗い流されるべきである。それがマナーである。

この【自動水洗機能】を備えた新しい【排泄】ウェブサービスとしてTwitterを考えてみる。
また、人々の時間意識とも絡めて議論してみたい。


直線的時空間意識
画面上には自分及びフォローしているユーザーの最新のつぶやきが常に上位に表示される。
それよりも古い書き込みは新しい書き込みによって流されていく。
「今」の連続的生成がもたらす膨大な時の堆積が過去を押し流していく。

これは2ちゃんねるやmixiなどの旧来のコミュニケーション(掲示板)サービスとは一線を画すると考える。
なぜならば、それらのサービスでは「過去→今」という堆積された時間を、遡及的に通覧するという、「歴史的」で「超越的」とでも呼びうる視点をユーザーに容易に可能にするからだ。
そして、過去のある一点(発言)は始まりと終わりによって静的に画定された【年表】の決められた一点として固定される。

人は上から下に文章を読む。これは歴史的・文化的な拘束である。
そして、時は過去から現在、そして未来へ向けて流れるという時間意識を持っている。これも同様と言えるだろう。
マクルーハンの言う、活字のもたらした直線的な思考、が関係するかもしれない。

つまり、上から下に向けて、過去から今が進行するというタイムラインは非常に理解しやすい。
そして、その【年表】からはストーリーが読み取れる。

United States Of Chinaなる新しい国が登場する【未来の歴史】


「今」を賭ける/駆ける
そのような旧来の一般的な掲示板サービスに対して、Twitterのタイムラインは上に現在が、下に過去がある。(以前からもチャットがこのようなタイムラインで存在したかもしれない。)
Twitterでは「今」のほとばしりが過去の上にあり、より大きな価値を持ち、そして、それは積み上げられてきた過去の流れに接続される必要はなく、無限の未来に開かれていながらも「今」という壁を破ることのできないという限界に囚われた人間が、【不可能な未来への跳躍】によって未来を形作る、というような動的な時間意識に適合的なのではないか。
そのような「今」に局限され、拘束された時空間の視野に基づきながらも動的な時空間の生成をするということを、私たちはしているのではないか。(過去も未来も実体的に把握することは不可能だ。それでも過去を学び、未来を築く努力をする。)


そして、Twitterの【自動水洗便所】式のタイムライン表示がそのような動的な時間意識・体験を少しでも容易にするのではないかと思われる。
このような時間意識が過去の呪縛を解き放ち、【不可能な未来への跳躍】に挑む人間を準備する貢献をするとすれば、Twitterが社会にもたらす便益は単なるコミュニケーションを超えている。



Hudson Mohawke - Hudson's Heeters Vol. 1
Warpと契約した若手注目株の'06に発表されていた14曲のビート集。
最初期のようですが既にかなりの完成度で【未来】を響かせています。