6.30.2009

future in the past 1



ジョン・ホイットニー
1917年、ジョン・ヘィルス・ホイットニー(John Hales Whitney)としてカルフォルニア州・パサデナ生まれる。37-38年、クレルモン大学ポモマ校(Pomona College, Claremont University)で学ぶ。パリ滞在中にレネ・リーボヴィッツ(Rene Liebowitz)からシェーンベルグ(Arnold Schönberg)の12音技法を学び、抽象画によるアニメーションを着想する。39年、合衆国に戻り、画家である弟のジェームス・ホイットニー(James Whitney)と共同で実験的なアニメーション作品を制作し始める。
1995年、ロサンジェルスにて没する。

60年代後半以降に流行ったオプ・アートと、最初期のコンピューター・グラフィックスの融合といったところでしょうか。
点や線といった最小の構成要素が画面を規則性を持って動き回ることで、その軌跡に空間が広がって見えてくる。
暗闇でネオン管が動き回っているようにも見えるけれど、微粒子が動き回る辺りは特に、シンプルだけど複雑なリズムを持つ生命現象の鼓動を感じるし、同じ形がぐるぐると円を描いて動き回る姿は残像か分身のようでもあり、阿修羅像や曼荼羅のような仏教的世界観も感じる。
Terry Rileyによる東洋風の音楽のせいかもしれない。

絶えず変わりゆく関係性の中でひとつひとつの同じものが違った顔を見せていく、それは諸行無常の世界観でもあるだろうし、60年代以降の構造主義への転回と同じ時代に共有された無意識の産物なんだろうなーと思ったりもする。

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