2.10.2010

Digital Gypsy


Gypsy Eyes by napoleonneversleeps

11.30.2009

「No Man’s Land」展

日曜日、広尾にあるフランス大使館で開催されているNo Man's Land展に行ってきました。

古くなって取り壊しが決定している旧館の建物全体がアートスペースになっていました。
作家の作品を持ち込んで展示してあるというよりは、全体的に建物に寄り添った制作がなされている感じ。
一アーティスト一部屋で、その中はその作家ワールド。
壁も床も天井も隅から隅までやりたい放題。塗り放題、描き放題。
建物の外壁にボムされた大きなグラフィティに出迎えられて入った館内には、ストリートアートが比較的多いような印象が残っていますが、他にも大使館ならではの内装を活かした展示が盛りだくさん。
大使館なんて足を踏み入れる機会のない建物なので、ドアやコンセント、壁にそなえつけられた戸棚など全てが興味をそそりました。
事務作業がされていたであろう簡素な部屋、窓に金属パイプがはめこまれた牢屋のような部屋、革張りのドアでふわふわ絨毯の部屋、元々の大使館としての様々な機能を想像しながら、そこに投げ込まれたアート作品を見て歩くのはとてもわくわくする体験でした。
思っていたよりもずっと見応えあるエキシビションでした。

まだ会期は来年まで続くようなので、もし機会があれば今度は昼間に行ってみたいかも。
是非皆様も。オススメです。

「No Man’s Land」展
会場: フランス大使館
スケジュール: 2009年11月26日 ~ 2010年01月31日
木・日 10:00-18:00、金・土 10:00-22:00、休館: 月〜水、2009年12月28日〜2010年1月6日
住所: 〒106-3514 東京都港区南麻布4-11-44
電話: 03-5420-8800
(←『この電話番号は現在使われておりません』でした笑)


以下ぱしぱし撮ってきた写真をいくらか。










P.S. postしてからタイトルを見てふと思った。この【元】大使館は、もはやその元々の機能や性質を剥奪されて、いやそこから解放されて、アーティストの自由なキャンバスに変化している、誰からも解放されて誰にも解放されている、すなわちそこは誰にも属さないNO MAN'S LANDなのか、と。
海外のblogでしか目にかかる機会がないような(少なくとも僕は)グラフィティが自由にボムされている、東京においては希有な、まさに誰のものでもない土地を漂う経験ができる、という解釈もできるかもしれません。
まあ、解釈は自由ですよね!!百人が見たら百通りの解釈があるはず。
これは、僕の感想です。

10.15.2009

Black Machine Music Segment2


Hud Moについてのpostで若干ダンス・ミュージックの歴史に関する記述をしたので、『ブラック・マシン・ミュージック』野田努著を以前読んでいた時にTwitter上に載せてた要約を転載しておきます。
70sニューヨークのディスコシーン、ヒップホップ草創期についてのSegment1に続く、80年代にかけてのシカゴのシーンがどのように立ちあがってきたのかについてのSegment2。


(途中、固有名詞だけしか書いてないところもありますが、それで検索かければ色々わかると思うので。ディグのきっかけのための最低限の資料として。)

(本当はこの次に書かれているデトロイトシーンの草創期のストーリーがまさに今のシーンと[僕がやりたいことと]シンクロして非常に感動したんだけど、要約書いてなかった。。のでまた機会があれば。)


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80年代に突入すると、エレクトロニクス利用が増えてPatrick Cowleyやバンバータ登場、しかしエイズ問題やレーガン政権による保守反動で快楽主義に疑問が呈され、MTVによるチャート音楽の隆盛でインディペンデントダンスレーベルは打撃を受けた。

ストーリーはシカゴハウス誕生に向かう。ナックルズ、ロン・ハーディの二大DJのプレイでシカゴのクラブ市場は二分される。「音楽的に言うならハウスは当時のDJによってミックスされたファンクやディスコ、ヨーロッパのダンスミュージックなどアンダーグラウンドミュージックのテクノロジーによる混合物である。」

ハーディはニューウェイブしか知らない若い世代にブラック・ソウルを教えた。極端なイコライジングとピッチを上げて。ドレスダウン現象。DJジェシー・サンダースのOn&Onが初のハウスレコード。初めはサンプリングだか盗作だかの海賊版だったが話題になったため自らレコーディング。

トラックスレーベル。マーシャル・ジェファーソンもヒットを。素人×機材=「ハウスはディスコにおけるパンク」。盗用=JACK天国。ラリー・ハードCan you feel it。政府社会保障管理部勤めのドラマー。

素人的無邪気さ→突然変異アシッドハウス誕生。×感情への音楽○麻酔薬の音響、機械反復。スリージーDのIve lost control。「徹底的に狂うことで人生を振り切ろうとするかのよう」
「ダンサーはそれぞれのスペースで踊り、スペースはお互いを共有することはない。まるで物理学者が電子の粒子に遭遇しようとしているかのようじゃないか」

「おれがIve lost controlをやったとき、叫び声を入れたけど、ブラックサバスやツェッペリンみたいなムードを出したかっただけなんだ。
「パワフルな精神変容であり、ブラックサイエンスフィクション」
「物語性の欠如、民族的な帰属に限定されないブラック・ミュージックの誕生

レイブ時代へ。ディスコとパンクスの合流。メジャーレーベルへの吸収でシカゴシーンに影。ナックルズとハーディの両クラブ閉店。ヘロイン中毒者ハーディ1992年他界。

10.03.2009

Twitter考(2)

Twitterとは何なのか。前回に引き続き若干の考察を進めてみる。


自動水洗便所
インターネット上の書き込みは「便所の落書き」だと皮肉られることがある。
どこかの誰かの残した【排泄物】のような拝む価値のない無用物だというわけである。



ところで、便所の汚物は水で洗い流されるべきである。それがマナーである。

この【自動水洗機能】を備えた新しい【排泄】ウェブサービスとしてTwitterを考えてみる。
また、人々の時間意識とも絡めて議論してみたい。


直線的時空間意識
画面上には自分及びフォローしているユーザーの最新のつぶやきが常に上位に表示される。
それよりも古い書き込みは新しい書き込みによって流されていく。
「今」の連続的生成がもたらす膨大な時の堆積が過去を押し流していく。

これは2ちゃんねるやmixiなどの旧来のコミュニケーション(掲示板)サービスとは一線を画すると考える。
なぜならば、それらのサービスでは「過去→今」という堆積された時間を、遡及的に通覧するという、「歴史的」で「超越的」とでも呼びうる視点をユーザーに容易に可能にするからだ。
そして、過去のある一点(発言)は始まりと終わりによって静的に画定された【年表】の決められた一点として固定される。

人は上から下に文章を読む。これは歴史的・文化的な拘束である。
そして、時は過去から現在、そして未来へ向けて流れるという時間意識を持っている。これも同様と言えるだろう。
マクルーハンの言う、活字のもたらした直線的な思考、が関係するかもしれない。

つまり、上から下に向けて、過去から今が進行するというタイムラインは非常に理解しやすい。
そして、その【年表】からはストーリーが読み取れる。

United States Of Chinaなる新しい国が登場する【未来の歴史】


「今」を賭ける/駆ける
そのような旧来の一般的な掲示板サービスに対して、Twitterのタイムラインは上に現在が、下に過去がある。(以前からもチャットがこのようなタイムラインで存在したかもしれない。)
Twitterでは「今」のほとばしりが過去の上にあり、より大きな価値を持ち、そして、それは積み上げられてきた過去の流れに接続される必要はなく、無限の未来に開かれていながらも「今」という壁を破ることのできないという限界に囚われた人間が、【不可能な未来への跳躍】によって未来を形作る、というような動的な時間意識に適合的なのではないか。
そのような「今」に局限され、拘束された時空間の視野に基づきながらも動的な時空間の生成をするということを、私たちはしているのではないか。(過去も未来も実体的に把握することは不可能だ。それでも過去を学び、未来を築く努力をする。)


そして、Twitterの【自動水洗便所】式のタイムライン表示がそのような動的な時間意識・体験を少しでも容易にするのではないかと思われる。
このような時間意識が過去の呪縛を解き放ち、【不可能な未来への跳躍】に挑む人間を準備する貢献をするとすれば、Twitterが社会にもたらす便益は単なるコミュニケーションを超えている。



Hudson Mohawke - Hudson's Heeters Vol. 1
Warpと契約した若手注目株の'06に発表されていた14曲のビート集。
最初期のようですが既にかなりの完成度で【未来】を響かせています。

9.29.2009

LLLIGHT

Hirzberger Events - Digital Wallpaper from Gregor Hofbauer on Vimeo.

9.11.2009

Twitter考


ちょっと思いつきでtweetし始めたら止まらずにどどどっと思考が進んである程度のまとまりになったので、転載してみます。

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Twitter登録だけして放置してた人間が「最近使い出したら意外と面白い」なんて言ってるケースが多いように思う。潜在的に増大してたネットワーク効果が爆発したか。
「ひうぃっひひー」事件が起爆剤?iphoneみたいなアプリ積める携帯の普及が臨界点越えたか?やっぱりこの面白さはリアルタイムでネットワーク上のノードとして個人が機能しうる環境があってこそだと思うから。

ユーザー数のネットワーク効果はもちろんなんだが、なにかこの新しい情報流通&コミュニケーションツールに人が流れこむ土壌が政治経済環境要因に求められたりはしないかな。



オルタナメディアとしての再発見
例えばイラン大統領選挙でのアンダーグラウンド情報流通に果たした役割と、その報道に占めた大きな比重。YouTubeと並んでTwitterが連日の報道に登場。
それに加えて国内の選挙では政策に関する情報を自ら比較検討するよう求められ、同時に世論調査含め世間の空気に対して敏感にならざるをえない状況。
クソナギ事件やら選挙やらでマスの一方通行情報大量爆撃に嫌気が差したかもしれない(臨界点突破)。
そこにイランで大活躍ニュース→オルタナメディアとして再発見!てストーリー、なかなか整合的じゃないかな?思い付きだが。

(マスメディアが越えられない国家の情報統制をTwitterが潜り抜けたという事実が人々の公正な感覚にポジティブな影響・印象を与えたのは間違いないと思う。)



「ひうぃっひひー」が国内起爆剤?
@カズキニ 広瀬香味がTwitterの陰語はひうぃっひひーね、とtweetしたらネット中でワロスされた事件w で、その広瀬香味のTwitter上の親友がブレイク中の勝間氏で鬼twitterユーザーという点も一般ユーザーの敷居を下げた気がする。

経済の方向性と世界観が合致?
階層なき平等な水平ネットワーク世界というノーバート・ウィーナー以降のITコミューンの原理主義的形態(cf.P2P)としてTwitterを考えると、金融危機以降の揺り戻しで世界の全体的な方向性がケインズ的な(?)再配分のコミューンに向かおうとしていることと対応しているような気もする。


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経済に関しては数学的な処理が面倒で勉強していないのでさっぱりですが、財政とか会計とか租税とかから間接的には触れてる感じです。

とりあえず今は
リベラル・ケインジアン>新自由主義
でおーけーですよね??



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エレクトロヒッピーの亡霊
今イギリスのシンクタンク勤めの男が書いた『サイバービア』(CyberのSuburbiaね)なる本を読んでるのですが、改めてカルフォルニア近郊のヒッピーたちから巨大化してきたコンピュータ文化の根底に世界の形態の変革というエネルギーというか思想のようなものが強く根付いていたことにうならされてます。
官僚的で階層的なトップダウンの世界から水平的で平等なコミュニケーションの保証された理想郷へ。

良いのか悪いのかわからないけど、コミュニケーションと情報流通に関しては今の人間は限りなく自由な環境を謳歌しているし、進もうとしている未来像もサイバネティックスの先駆者の思い描いたものとそう遠くないんじゃないか、と思ったり。

(なんてサイバネティクス思想に洗脳された頭で書いてみマスタ。)

9.08.2009

Life Meditation 2


ジョブスのスピーチ、友達に頼まれてせっかく和訳したので載せておきます。(ビデオ見れば字幕出てたけどね。)

点と点は未来を眺めても繋げられなくて、振り返った時にだけ繋げられるんだ。
だから将来的には点と点が繋がってどこかに導いてくれると信じるんだ。
何かを信じなければならない。人生、ガッツ、運命でも、業(カルマ)でも、何でもいい。
なぜなら点と点が一つの道に通じてると信じることは、たとえよく踏みならされた道から
外れてしまうような時でも、あなたが自分の心に従う自信を与えてくれるから。
そしてそれがすべての違いをもたらす。

時に人生はあなたの頭をレンガで叩きつけるだろう。
信念を失ってはいけない。
私を動かし続けてきたものは、私が自分のなすことを愛してきたというただそれだけだと
確信している。
あなたは自分が愛するものを見つけねばならない。
そしてそれは仕事にもあてはまれば、恋人についてもだ。
あなたの仕事は人生の大部分を占めるだろう。
そして本当に満ち足りる唯一の方法は、あなたがすばらしい仕事だと信じることをすることだ。
そして素晴らしい仕事をする唯一の方法は、あなたが行うことを愛することだ。
まだ愛するものを見つけていないのなら、探し続けなさい、そして落ち着いちゃダメだ。
あらゆる心の問題と同じで、それを見つけたときには自ずとわかるだろう。
そしてあらゆる素晴らしい人間関係と同じで、年を経るごとにそれはますます良くなっていくだろう。
だから探し続けて。落ち着いちゃいけない。